第32回日本総合病院精神医学会総会

ご挨拶

 2019年11月15日(金)と16日(土)の両日、岡山県の倉敷市芸文館および倉敷アイビースクエア・エメラルドホールにて、第32回日本総合病院精神医学会総会を開催させていただくことになりました。第30回、31回と参加の方々が増え、ますます輝きを増して来ている中での開催となり、大変光栄に存じ上げるとともに、仰せつかった大役に襟を正す思いであります。

 本学会の大きな主題であるコンサルテーション・リエゾン精神医学(CLP)は、日本精神神経学会の新専門医制度の必修要件にも挙げられている、精神医学でも最も重要な領域の一つです。CLPは、単に総合病院をフィールドとした精神医療というだけではなく、一般精神医学を修練した上でさらに専門性の高い研修を要するサブスペシャリティ領域です。

 このCLPの習得と実践には、2つの基本的な姿勢が不可欠です。一つは「知」、精神医学に留まらない医学の幅広い知識と臨床現場でこそ得られる実践知とを正しく学んで互いに共有し、偽の情報や安易なポピュリズムに流されない臨床や研究をすること、もう一つは「心」、患者はもちろんのこと他科スタッフのニーズや気がかりも探り、最善の結果を考えていく心構え、この2つであると思います。

 そこで、メインテーマもそのまま「知を求め、心を探る」といたしました。知の部分では、第31回総会から始まったレクチャーシリーズを2日間続けて行い、また様々な分野のシンポジウムやワークショップを企画します。心の部分では、緩和ケアとリエゾン精神医学の第一人者であるスイス・ローザンヌ大学のFriedrich Stiefel教授による、医師患者間に生じる特有の心理についての講演を中心として、皆さまの忌憚のない意見交換をお願いしたいと存じます。精神科医とメディカルスタッフが垣根を外して協働し、総合病院精神医学の広い領域に誠実に対応しながら次世代の医療者を育てていく、少しでもその一助となる内容になればと願っています。

 2018年7月、倉敷は真備地区を中心に甚大な水害に遭い、今もなお市民の生活に大きな影響が残っています。本総会が倉敷にわずかでも貢献できればとも思います。会場のある倉敷美観地区は、従来通りの観光地として今も賑わっています。先着順にはなりますが、地区内の大原美術館で会員懇親会を行う予定にもしております。

 これまで営々と築かれてきた本学会の伝統を継承しながら、新しい元号に恥じない新たな試みを、皆さまのお力で形にできればと思います。是非、数多くの方々のご参加を賜り、活発な討論や懇談を楽しんでいただけましたなら、望外の幸せに存じます。

 皆さまのお目にかかれますことを、心から楽しみにお待ち申し上げます。

第32回日本総合病院精神医学会総会
会長:山田 了士
事務局長:井上真一郎