第105回日本消化器病学会中国支部例会

会長挨拶

第105回日本消化器病学会中国支部例会の開催にあたって

 この度、第105回日本消化器病学会中国支部例会を2016年6月11日(土)、12日(日)に島根県松江市の「松江テルサ」にて開催させていただくことになりました。島根大学外科学講座として本会を開催させていただくのは2010年の第94回支部例会(田中恒夫会長)以来となります。伝統ある本会の会長を仰せつかり、大変光栄に存じますとともに、あらためてその重責を痛感しているところです。
 消化器には多彩な疾患が存在します。その中でも生命予後に最も大きな影響を与えるのが癌です。高齢化が加速する中、癌死亡者数は増加の一途をとたどっています。このような背景から、今回のシンポジウムのテーマは「炎症と消化器癌―機序・予防から診断・治療まで」とさせていただきました。逆流性食道炎と食道癌、ピロリ菌感染と胃癌、炎症性腸疾患と大腸癌、慢性肝炎ウイルス感染と肝細胞癌、慢性膵炎と膵癌など、炎症と消化器癌について、その発癌機序、予防法、早期診断と治療等に関する最新の研究成果や知見をご紹介いただき、消化器癌診療に貢献できるシンポジウムとなることを期待しています。また、研修医・専修医の先生の登竜門として例年通り奨励賞も設けておりますので、ひとりでも多くの先生にご発表いただき、全国学会へ羽ばたくステップにしていただければそれ以上の喜びはありません。特別講演では、長崎大学大学院消化器内科学分野教授の中尾一彦先生に「肝疾患と耐糖能異常、脂肪毒性について」というタイトルでご講演を賜ります。肝疾患と糖・脂質代謝のクロストークに関する最新の知見を拝聴できるものと思います。
 第2日目の教育講演では、「食道癌」、「胃癌」、「肝癌」の最新の診断と治療、また「薬物性消化管傷害」と今回改訂された「胆石症診療ガイドライン」について、それぞれエキスパートの先生に up date な話題をご講演いたく予定です。市民公開講座では、「ちょっと気になるおなかの病気と体にやさしい最新の治療」を企画いたしました。最新の腹腔鏡手術や内視鏡治療、LECSなど、多くの市民の皆様に広く「体やさしい治療」をご紹介したいと思います。
 島根の地は中国地区の最北端に位置し、交通アクセスや宿泊等々で何かとご不便をおかけすることかと存じますが、是非とも多くの会員の皆様にご参加いただき、活発なご討議を通じて実りある会にしていただけることを期待しております。“城下町”松江のシンボルである松江城が、平成27年7月に正式に国宝に指定されました。松江城は、千鳥が羽根を広げたように見える入母屋破風の屋根が見事なことから「千鳥城」とも呼ばれています。学術集会は勿論のこと、島根の自然や文化にも触れていただき、記憶に残る学会となれば幸いです。日頃の診療の疲れを癒し、皆様に元気になっていただけるよう教室をあげて鋭意準備を進め、心からのホスピタリティーで皆様をお迎えしたいと思います。

第105回日本消化器病学会中国支部例会
会長 田島義証
(島根大学医学部 消化器・総合外科)