第58回日本消化器がん検診学会総会

附置研究会

附置研究会1「大腸がん検診精度管理検討研究会」

代表世話人:
斎藤 博(青森県立中央病院 医療顧問)

当番世話人:
金岡 繁(浜松医療センター 消化器内科)
山口 和也(ちば県民保健予防財団 消化器内科)

「便潜血検査免疫法のカットオフ値を考える」(公募・一部指定)

司会:金岡 繁
(浜松医療センター 消化器内科)
山口 和也
(ちば県民保健予防財団 消化器内科)

 我が国の対策型大腸がん検診においては,便潜血検査免疫法(免疫法)が唯一の検査法となっている。免疫法は便潜血検査化学法(化学法)に比して感度・特異度が良好であり,便中ヘモグロビン濃度を計測可能なタイプを用いる施設が多いと思われる。このような測定法では,検査陽性と陰性を分けるカットオフ値を設定することが可能である。大腸がん検診の実施に際して市町村や検診機関は,どのような根拠でカットオフ値を設定しているのだろうか。メーカー推奨の値を用いている場合や,あるいは,独自に精度管理調査を実施しそのデータをもとにカットオフ値を決定している場合もあるだろう。
 カットオフ値の増減は,要精検率に直接影響することは明らかであるが,それだけでなくシステムとしての検診効果にも大きな影響を与える可能性がある。
 将来的には効果が最大化でき,かつ不利益が最小化できるようなカット・オフ値の標準値を決めることが求められる。しかしさらに,測定法間の便潜血値に互換性がなくカットオフ値だけで直接議論できない問題点も存在する。現状では,何を根拠にカットオフ値を決定するのが妥当なのだろうか?また,どのような指標に変化が見えた場合にカットオフ値の変更を考慮すればよいのであろうか?各市町村や検診機関で用いている測定法とカットオフ値やプロセス指標,あるいは感度・特異度などのデータを報告していただき,optimalなカットオフ値とは何か議論したい。多くの演題を期待する。

附置研究会2「胃がんリスク評価に関する研究会」

顧問:吉原 正治(広島大学保健管理センター)

代表世話人:
井上 和彦(淳風会健康管理センター)

当番世話人:
青木 利佳(とくしま未来健康づくり機構徳島県総合健診センター)

「対策型内視鏡検診時代における胃がんリスク評価のあり方」(公募・一部指定)

司会:青木 利佳
(とくしま未来健康づくり機構徳島県総合健診センター)
間部 克裕
(函館病院 消化器科)

 2012年に本附置研究会が初めて開催されて以来,リスク評価の課題や実際の運営方法等について議論が尽くされてきましたが,その間に胃がん検診を取り巻く環境は大きく変化しました。その最たるものとして,対策型胃がん検診に内視鏡検査が推奨されたことがあります。しかし一方では,検診対象年齢が50歳以上に引き上げられ,2年に1回の隔年受診が指針として示されました。胃がんリスクであるピロリ菌感染については,健康教育の域を出ず,実際の内視鏡検診には未だ反映されていません。ピロリ菌感染率の低下や除菌治療の普及に伴い,受診者の感染状態や胃がんリスクが刻々と変化する中で,これからの胃がん検診は本来どう対応していくべきでしょうか。
 今回の附置研究会では「対策型内視鏡検診時代における胃がんリスク評価のあり方」をテーマとし,これらの問題について深く考えてみたいと思います。とりわけ,費用やマンパワーの問題で内視鏡検診を実施できない地域においては,リスク評価を利用した対象集約が課題となるでしょう。発表者には,各々の地域の胃がん検診において実施あるいは検討中である胃がんリスク評価の活用方法を述べていただき,その問題点と解決策,費用対効果,全国的に普及可能かどうか等について議論したいと思います。理想の胃がん検診制度構築に向けて多くの演題を期待します。

附置研究会3
「胃X線検診のための読影判定区分(カテゴリー分類)の運用・評価に関する研究会」

代表世話人:
渋谷 大助(宮城県対がん協会がん検診センター)

当番世話人:
伊藤 高広(奈良県立医科大学 放射線医学教室)
安保 智典(小樽掖済会病院 消化器内科)

「読影補助制度導入に向けたカテゴリー運用法の問題点と工夫」(公募・一部指定)

司会:伊藤 高広
(奈良県立医科大学 放射線医学教室)
安保 智典
(小樽掖済会病院 消化器内科)

 このたび,第57回総会(新潟)の理事会承認を経て,胃X線検診を念頭に診療放射線技師による読影補助認定制度の検討が開始された。背景にあるのは胃がん検診において年々深刻さを増しつつあるX線読影医不足である。この状況を踏まえ,今回の附置研究会では胃X線検診のための読影判定区分(カテゴリー分類)を読影補助に適用する際の問題点をテーマとした。現在のところ学会から読影補助の具体的な目的・内容は公表されていないため,本附置研では読影補助導入の目的を「読影医の読影効率と読影精度の向上」と仮定して議論を行いたい。また,読影補助の際には背景粘膜評価の扱いも必要となるであろう。読影補助におけるカテゴリーの効果的な運用法や問題点に関する考察と工夫,カテゴリーを用いた読影補助の導入効果を実証するための前向き試験など,さまざまな意見やエビデンスを提示していただき,活発な討論を行いたい。発表の際,各演者におかれては読影補助を組み込んだ場合に想定される胃がん検診読影体制を明確にし,考察において現行カテゴリー使用の是非,運用法の工夫,カテゴリーの定義を見直す必要性など,今後の方向性を示していただきたい。読影補助認定制度を加えた新たな胃X線検診体制におけるカテゴリーの運用をめぐって,医師と技師それぞれの立場から多数のご応募を期待する。

附置研究会4「対策型胃がん内視鏡検診研究会」

代表世話人:
渋谷 大助(宮城県対がん協会がん検診センター)

幹事:平川 克哉(福岡赤十字病院 消化器内科)

当番世話人:
幸田 隆彦(幸田クリニック)
田村 聡(横浜市医師会/田村医院)

「二次読影における画像評価の標準化に向けた取り組み」(公募)

司会:幸田 隆彦
(幸田クリニック)
田村 聡
(横浜市医師会/田村医院)

 対策型胃内視鏡検診の運用に際しては,常に精度向上を図りながら地域においてある一定以上の診断能を維持する必要がある。それを具現化していくために,検診医の技術向上を視野に入れたダブルチェック体制の確立が求められてきている。
 ダブルチェックは偽陰性例を減らすことが目的であるが,不要な生検の抑止や画像評価を行い,その結果をフィードバックすることで,検診医の診断技術・撮影技術の向上に繋がることも期待されている。中でも画像の評価については,「網羅的な撮影」や「ブレの少ない鮮明な画像」といった抽象的な表現による基準はあるが,具体的かつ客観的な評価基準についてはあまり議論されてこなかった。
 そこで,今回の研究会では,まず各自治体における画像評価の現状を提示していただき,次に評価によって生じる疑問や課題,またその結果を如何にフィードバックしているかなどの視点で多くのアイデアを出していただくことで,ダブルチェックの標準化に向けた議論をしたいと考えている。