当番世話人挨拶

第38回癌免疫外科研究会の開催にあたって

第38回癌免疫外科研究会
当番世話人 山口 佳之(川崎医科大学 臨床腫瘍学)
 伝統ある癌免疫外科研究会、その第38回の当番世話人を仰せつかりました川崎医科大学臨床腫瘍学 山口佳之でございます。わたしが腫瘍免疫の研究を開始し、その拙い成果をはじめて発表させていただきましたのが第8回の本研究会であり、以後、毎年発表させていただきました。まさに我を育てていただきましたこの会をお世話させていただく機会をいただきましたことに、岡会長をはじめ皆様に、冒頭、心より御礼申し上げます。
 会の主題Iといたしまして、埼玉医療センター 柴田昌彦前当番世話人が開催されました小江戸での『抗体治療で変わる癌治療の展開』を継続主題とし、主題IIといたしまして『癌局所微小環境の細胞・分子メカニズム』を新規主題とさせていただきました。免疫チェックポイント阻害剤の大成功によって、がんに対して免疫系が確かに反応していること、効果の発現には癌局所微小環境の情報が重要であること、これらの話題が世界中で注目されております。局所のリンパ球、樹状細胞、neoantigen、そしてお薬が、がん治療を変える時代を迎えています。がん組織を直接手にすることのできる外科系医師の皆様で構成された本研究会こそ、がん局所の理解・解明に真っ向から踏み込むことができる、踏み込まなければならない、そう考えて主題とさせていただきました。
 お陰様で100題に迫るご演題をいただき、がん免疫の注目度の高さとともに皆様の熱意を感じました。ここに厚く御礼申し上げます。
 主題演題の中より2セッション『癌局所と炎症』および『癌局所微小環境』をシンポジウムとさせていただきました。また、今注目されるご発表を『要望演題』として5セッション取り上げさせていただきました。建設的な実りあるご議論を期待いたします。
 特別企画として、癌免疫外科研究会発足の地、岡山での開催を記念し、『鼎談:癌免疫外科研究会38年を斬る』を企画させていただきました。歴代会長、折田先生、山岸先生、岡先生にご登壇いただき、研究会発足の経緯や思い出の研究、いろいろな裏話、そして将来へのメッセージをいただこうと考えております。是非、ご参加ください。
 特別講演では、国立がん研究センター東病院消化管内科・設楽紘平先生より『進行胃癌に対する分子標的薬と免疫療法開発の現状と展望』を、近畿大学医学部ゲノム生物学・西尾和人先生より『がん免疫療法のバイオマーカーについて』をご講演いただきます。また、セミナーはすべて教育講演とし、慶應義塾大学先端医科学研究所・河上 裕先生より『個別化・複合がん免疫療法の開発に向けて』を、三重大学遺伝子免疫細胞治療学・珠玖 洋先生より『がん局所間質組織を標的とした2つの治療アプローチ』を、さらに九州大学腫瘍制御学・大西秀哉先生および岡山大学消化管外科・永坂岳司先生からはHedgehog signalや大腸癌化学療法の最新トピックスをそれぞれご講演いただきます。いずれも大変多くの学びを得ていただけると確信いたしております。是非、ご拝聴のほどお願いいたします。
 倉敷は、日本で洋画をはじめて飾った大原美術館をはじめ、すがすがしい美観地区、昭和の将棋大名人・大山康晴記念館、野球の殿堂・星野仙一記念館、車で約10分に瀬戸大橋など、誇らしい名所旧跡を数多く有し、風光明媚、かつ瀬戸の小魚をはじめ海の幸・山の幸も豊富な、西日本有数の観光地でございます。是非、お仲間ご一同・ご家族お誘い合わせのうえお運びいただき、『癌免疫』の輝きに酔いしれ、実りあるひとときを共有していただきますよう、ここに謹んでご案内申し上げます。
 合言葉は、Make patients healthy, again! Immunotherapy, first!