日本筋学会第4回学術集会

プログラム

特別講演

特別講演18月10日(金)

座長:遠藤 玉夫(東京都健康長寿医療センター研究所)

「小胞体の機能と制御のダイナミクス」
演者:森 和俊(京都大学)

特別講演28月10日(金)

座長:砂田 芳秀(川崎医科大学)

「Mechanistic Insights into Dystroglycan Function in Skeletal Muscle.」
演者:Kevin Campbell(アイオワ大学)

特別講演38月11日(土)

座長:萩原 正敏(京都大学)

「RNA修飾によるエピトランスクリプトーム制御と疾患」
演者:鈴木 勉(東京大学)

特別記念講演8月11日(土)

座長:武田 伸一(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)

「原子構造に基づく筋小胞体カルシウムポンプの制御機構」
演者:豊島 近(東京大学)

ランチョンセミナー

ランチョンセミナー18月11日(土)

座長:戸田 達史(東京大学)

「筋疾患の診断ポイント」~治療薬のある筋疾患を見逃さないために~
演者:西野 一三(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)

共催:サノフィ株式会社

ランチョンセミナー28月11日(土)

座長:砂田 芳秀(川崎医科大学)

「筋炎の臨床」
演者:神田 隆(山口大学)

共催:一般社団法人日本血液製剤機構

シンポジウム

シンポジウム1:筋機能と病態研究のフロンティア8月10日(金)

座長:大野 欽司(名古屋大学)
   堀田 秋津(京都大学)

要旨:
筋ジストロフィーや筋損傷など、筋機能の破綻によって引き起こされる筋疾患の裏では、ゲノムの構造変異や発現調節異常、未知のペプチドや細胞分泌物など、これまでの常識を凌駕する新たな知見が次々となされている。本シンポジウムでは多様な筋機能を司る分子機構や細胞・組織間のクロストークについて、先端のイメージング技術やシーケンシング技術、ゲノム編集技術などを取り入れつつ、精力的に研究をされている演者の方々に御講演頂き、幅広い視点から筋機能の重要性を議論する場としたい。

キーワード:テクノロジー、筋の新機能、病態研究、など

シンポジウム2:
骨格筋の可塑性と再生能を支える筋衛星細胞と
エピジェネティック制御8月10日(金)

座長:辰巳 隆一(九州大学)
   深田 宗一朗(大阪大学)

要旨:
骨格筋は栄養状態や運動トレーニングあるいは加齢によって、そのサイズやタイプを適応変化させるといった可塑性を備える。また骨格筋は激しい運動や外傷等によって損傷を受けても速やかに修復、再生される。このような骨格筋の高い可塑性や再生能は、骨格筋に存在する幹細胞である筋衛星細胞の寄与および骨格筋を構成する種々の細胞のエピジェネティック制御による影響が大きいと考えられる。近年の著しい遺伝子解析技術の発展から、骨格筋の高い可塑性や再生能を制御する成長因子や、それに関わるエピジェネティックな制御メカニズムが明らかになりつつある。本シンポジウムでは、当該分野の研究でご活躍の先生方に最新の知見をご講演いただき、骨格筋の可塑性や再生能の基盤的な理解を行う機会を提供したい。

キーワード:幹細胞、筋再生、遺伝子発現制御、など

シンポジウム3:骨格筋代謝研究の新展開8月11日(土)

座長:秋本 崇之(早稲田大学)
   小野 悠介(長崎大学)

要旨:
運動器である骨格筋は生体内最大のエネルギー代謝臓器として認識されはじめた。骨格筋量の減少や筋インスリン抵抗性を含む筋代謝異常は、サルコペニアのみならず2型糖尿病などのメタボリックシンドローム発症のリスクファクターとなる。したがって、健康長寿社会の実現のためには骨格筋代謝を制御するメカニズムの解明が急務である。近年では、骨格筋、脂肪、肝臓により形成される巧妙な全身性代謝ネットワークも注目されている。本シンポジウムでは、骨格筋の糖、脂質、アミノ酸代謝に関する先端的知見に代謝臓器連関の視点を交え、骨格筋を基軸とした代謝研究の今後の展開について議論する。

キーワード:筋肥大・萎縮、代謝、メタボリックシンドローム、多臓器連関、など

シンポジウム4:
運動器疾患の病態理解から治療法へ~iPS細胞技術を中心に~8月11日(土)

座長:鈴木 友子(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
   齋藤 琢(東京大学)

要旨:
21世紀に入り、医学研究分野においてもゲノム編集など多くの新技術が確立されてきた。その中でもヒトiPS細胞は、樹立から10年が経過し、すでに医学研究の中では汎用される技術の一つとして定着している。iPS細胞技術の活用法として、当初期待された自家移植による再生医療の進展という夢の治療法の確立ではなく、より現実的な治療法開発のツールとして、HLAホモドナー由来iPS細胞ストックを活用した他家移植による治療法開発と、患者由来の疾患特異的iPS細胞を用いた創薬研究が大きく進展した。そこで本シンポジウムでは、運動器疾患に対する新規治療法開発において、iPS細胞技術を活用した研究で活躍されている先生方に最新の知見をご講演いただくとともに、先端技術を活用した運動器疾患の病態解明、治療法開発への展開について議論を深めたい。

キーワード:
再生医療、骨・軟骨、ロコモティブシンドローム、創薬スクリーニング、など

シンポジウム5:カルシウム動態制御と筋疾患8月11日(土)

座長:櫻井 隆(順天堂大学)
   毛利 聡(川崎医科大学)

要旨:
カルシウムイオン(Ca2+)は筋機能を規定する最重要因子の一つであり、骨格筋でのCa2+動態機構およびその生理的役割について、日本が世界に先駆けて明らかにしてきた。これら一連の研究は骨格筋にとどまらず、心臓、脳神経系をはじめ様々な器官・細胞における機能解明に多大な貢献を果たしてきた。一方、筋線維へのCa2+流入・Ca2+放出チャネルおよびその調節因子群の変異に伴い筋疾患が惹起されることから、Ca2+動態の厳密な制御が骨格筋機能及び病態発症を規定することが想定されるものの、その全容は未だ明らかではない。本シンポジウムでは筋の形成・機能に関わるCa2+動態の分子機構、およびその制御異常に伴い惹起される筋病態発症機構について、気鋭の先生方に最新の知見を交えてご講演いただく。今回、骨格筋・心筋研究者を交え討論することにより、当該分野における新たな研究発展が期待される。

キーワード:イオンチャネル、筋生理学、筋収縮、細胞骨格、筋疾患、など

シンポジウム6:
難治性運動器疾患に対する新規治療法開発にむけて8月11日(土)

座長:小牧 宏文(国立精神・神経医療研究センター神経研究所 病院)
   尾方 克久(東埼玉病院)
   横田 俊文(アルバータ大学)
   青木 吉嗣(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)

要旨:
最近、難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)の施行や、患者レジストリ活用促進によるクリニカル・イノベーション・ネットワークの整備など、難治性運動器疾患に対する治療法開発を取り巻く環境は急速に変化している。一方、近年の分子遺伝学の進歩により、運動器疾患の原因遺伝子およびその遺伝子産物が次々と明らかになった。これらの研究成果を基盤として、国内ではデュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象に、エクソン・スキップ等の先駆的治療法開発が進む。また、筋肉における活性型ビタミンD作用機序の解明は、サルコペニア等の運動機能障害の新たな治療法になると期待される。こうした研究開発の流れは、進行性骨化性線維異形成症など様々な難治性疾患に応用されつつある。特筆すべきは、神経疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)を対象にしたスプライシング制御治療法開発であろう。SMAは進行性の脊髄前角運動ニューロンの変性および筋力低下を特徴とするが、同疾患を対象にした核酸医薬であるスピンラザ®の承認は、複数の国際誌において2017年最大の医学トピックに選ばれている。本シンポジウムでは、産学で活躍するフロントランナーが、昨今の規制や開発手法の動向と、難治性運動器疾患を対象にした研究開発の最先端を解説する。

キーワード:
分子治療、臨床試験、医薬品開発、自然歴、症例報告、遺伝子検査・診断、など