日本筋学会第4回学術集会

会長挨拶

日本筋学会第4回学術集会
会長 砂田 芳秀
川崎医科大学副学長・神経内科学教授

 この度、2018年8月10日(金)・11日(土)の両日にわたり、岡山県倉敷市の川崎医科大学にて、日本筋学会第4回学術集会を開催することになりました。
本学会は2015年に骨格筋の基礎研究を基盤に臨床へのダイナミックな応用展開をみせる幅広い骨格筋学を対象として、様々な専門領域の研究者が叡智を結集するために設立されました。第1回から第3回までの学術集会は東京の国立精神・神経医療研究センターで開催されましたが、今回東京を離れて初めて地方での開催となります。
 私は神経内科医として筋ジストロフィーの分子病態研究と治療薬開発を行ってきましたが、常に基礎研究からの大きなインパクトが研究の原動力となった自分自身の経験から、本学術集会のテーマを「筋研究の新たな地平へ—基礎と臨床の融合—」としました。ジストロフィン遺伝子のクローニングを契機に驚異的なスピードで筋疾患の病態解明が進み、今や治療の時代に入ったと言われていますが、幹細胞・iPS細胞研究、遺伝子編集技術、次世代シークエンス技術などのテクノロジーの進化はこれからの筋研究にどのような未来をもたらせるのでしょうか?また、骨格筋は運動器に留まらず、全身の代謝制御やマイオカインなどの分泌臓器としても重要な生理機能を果たしており、メタボリック症候群やサルコペニアなどとの関連でも大変注目されています。この学術集会が最新の情報交換と研究領域の垣根を越えた議論の場となることを期待しております。
 この学術集会ではジストロフィン糖蛋白複合体を最初に精製し、現在に至るまで筋ジストロフィー研究を最先端で牽引しているIowa大学のKevin Campbell教授、地元倉敷のご出身でERストレス研究のパイオニアとしてラスカー賞を受賞された京都大学の森 和俊教授、多様な疾患の発症病態との関連が注目されているRNA修飾の研究を推進されている東京大学の鈴木 勉教授に特別講演をお願いしております。また、運営委員の皆様のご尽力で魅力的な6つのシンポジウムが企画されています。
 倉敷は江戸時代に天領として栄えた歴史があり、美観地区には白壁の美しい街並みが保存され、わが国最初の西洋美術館である大原美術館ではエル・グレコやゴーギャン、モネやマティスなどの作品を楽しむことができます。ぜひ多くの関連領域の研究者の方々に倉敷にお越しいただきますよう、お待ちしております。