>>>会長挨拶
 
会長 井内 康輝 

 昨年、設立以来50年の節目をこえた日本肺癌学会の新たな第一歩を踏み出す第51回総会を主催させていただくことを、大変光栄に存じます。

 肺がんが日本におけるがん死の第1位を占め、その予防・診断・治療の革新が急務といわれて久しい今日、肺がんの基礎的研究の成果の臨床的応用が十分になされているかを検証し、基礎と臨床の効果的な統合を如何に図るかを主たるテーマとして、本総会を企画したいと考えております。近年における肺がんの分子標的治療の進歩は、その分子生物学的研究が基礎にある様に、今後の新たな治療戦略を築く上で有用な情報交換が今回の総会の中で行われることをめざして、様々なプログラムを企画しております。

 開催地である広島の地では、65年前の原爆被災による放射線障害が肺がんを含む多くのがんを誘発し、また、第二次世界大戦前に存在した旧陸軍のマスタードガス生産を主とする毒ガス工場の従業員は肺がんの高リスク群であることはよく知られています。さらに、第二次世界大戦後の経済復興・産業振興の過程で大量に使用されたアスベストへの曝露が30年から40年をへて中皮腫や肺がんを発生させている現在、造船業、自動車製造業などの盛んな広島・岡山地区では中皮腫や肺がんが好発しているという事実もあります。これらは外因の明らかな呼吸器がんであり、ヒトがんを対象とした研究として肺がんの発生・増殖・進展の機序を探ることが続けられてきたことをご紹介したいと考えております。

 会員の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げ、本総会が実りある会となります様ご協力を賜ります様、お願い申し上げます。


Copyright (C) 2010 第51回日本肺癌学会総会