第18回日本認知療法・認知行動療法学会

会長挨拶

第18回日本認知療法・認知行動療法学会
会長 耕野 敏樹
地方独立行政法人 岡山県精神科医療センター

このたび第18回日本認知療法・認知行動療法学会を平成30年11月23日から25日、岡山コンベンションセンターで開催することになりました。今回の大会は、本学会が中四国で開催される初めての大会となり、このような記念すべき大会に携わらせていただけることを大変光栄なことだと思っています。

今回のお話を頂き私がまず考えたことは、認知行動療法をいかにして精神科医療の現場に届けるかということでした。私自身は、厚労省の普及事業への参加をきっかけに、本格的に認知行動療法を活用するようになっています。そうした中で認知行動療法を学び、臨床に生かすということが、個人精神療法という枠組みを超えて、改めて臨床を捉えなおす良い手がかかりともなっています。個人的経験を開示してしまいましたが、おそらく認知行動療法(そのもの)や、それを習熟する体験は、今日非常に多様化が進んでいる臨床現場に、さまざまな影響を与えているのであろうと思います。大会長という大役をいただくにあたり、こうした現場の多様性を十分に意識した大会にしたいと考えました。

今回の学会テーマは「ささやかな知恵を・・・」ということに致しました。この言葉が会期中どのような響きを持って用いられることになるのかは、皆様方の自由な御発想にお任せしたいと思っています。

私自身が連想しますのは、アーロン・T・ベックの「認知療法」や「うつ病の認知療法」のページを繰りながら自身の臨床場面を想起している瞬間や、セッションの中で相談者の体験をもとに認知理論を紹介している時、あるいはスーパービジョンで学んだことを元にセッション構造を改めて意識して面接すると不思議と面接がうまく運んだ時、などです。こうした体験に通底するのは、「すでに馴染んでいる何か」をあらためて眺めることにより、そこに大切な価値を(再)発見する、というようなことでしょうか。

改めて話を元に戻しますと、今回の岡山大会はこれまでの本大会における様々な取り組みを受けて、さらに認知行動療法が国内の臨床場面に浸透していく大変良い機会だと考えています。これから新たに学ぶ方々には認知行動療法の知恵にふれる喜びを、すでに研鑽を積まれてきた方々にはフィールドを超えた知恵の熟成を、存分に感じていただけるような、そんな大会となることを願っています。それがひいては治療や支援を求める方々に、私たちがなすことの質を保証することにつながっていくと信じています。

場所も、他県の方々からアクセスしやすい岡山コンベンションセンター・ママカリフォーラム(http://www.mamakari.net/)というJR岡山駅に隣接した会議場にしています。この18回大会を目に留められた皆様には是非お気軽にお立ち寄りいただき、認知行動療法によってもたらされる未来の一員としてご活躍していただける機会となるよう本大会をご利用いただけると幸いです。